出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第4章 第4話
どんなに高く見積もっても、高校生が限界の見た目だった。
薄化粧というのも相まって俺たちは完全に日向は未成年だと思い込んでいた。
「…まさか、俺と同い年とはな」
太刀川さんは未だに驚いた顔をしていた。
「…俺より年上には見えませんでした」
「そりゃあなぁ…」
今彼女はちょうど20歳で、太刀川さんと同い年、俺より3つも年上だった。
午後6時、いま俺たちは本部近くの居酒屋に来ていた。
ボーダー隊員のおかげで経営が成り立っていると言っても過言ではないほど、ここはボーダー隊員のよく来る店である。
「…なんでわざわざここを指定したんすかね」
「俺たちは目立つし、そんな中に一人女がいたらそりゃあ目立つだろうにな。ま、風間さんのことだしなんか意図があるんだろう」
太刀川さんは早速ビールを注文していた。
それをぐびっと飲み、コトンとテーブルにグラスを置いた。
俺はさすがに堂々とは飲めないためとりあえずはソフトドリンクだ。
チキショウ、うまそうに飲みやがって。
まあボーダーに生かされてる店だから無理いえば出してくれるんだろうけど。
すると、背後から足音が複数聞こえた。