第3章 新たに
私は全速力で走って独りになれる場所を探した。
涙が溢れて止まらなくなる…
自分が昔よく遊んでいた公園が目に入り、ジャングルジムの青い土管の中に入り込んだ。
「子供の頃、お母さんに叱られてよくここで隠れて泣いたなぁ…」
懐かしい気持ちと落ち着ける場所のお陰で涙は止まった。
待って、今、子供の頃って…
冷静になった頭でよく考えてみると、水泳に関する事を忘れてることに気がついた。
だから3人のことも…
ボーッとしていると携帯が鳴り始めた。
_松岡凛
と表示が出たが、私は無視をした。
泣きそうだからって店を勝手に出て3人を放っていくなんて今思えば恥ずかしすぎる…
私は三角座りをして顔を埋めた。
「人が親切に電話してんだからちゃんと出ろよ。」
突然凛の声がして、土管の入り口を見た。
そこには長い黒のズボンが見えた。
私は急いで出ようとするとしゃがみこんで通させまいと土管の中に凛が入ってきた。