第3章 新たに
「どうして記憶が無くなったんだろうな?」
凛が烏龍茶を飲みながら不思議そうにしていた。
「なんでかはっきり分からないけど原因はこれかなっていうのはあるよ?」
私は冷たいオレンジジュースを一口飲んだ。
「「え?」」
3人が声を合わせて目を丸くしていると同時に周りのお客さんから視線が集まった。
私達はすみませんと頭を下げた。
「で、それは何なんだ。」
ハルは鯖の塩焼きの身をほぐしながら訪ねてきた。
「あの質問なんだけど、私って自殺しようとしたことあるのかな?」
「そんなの一度もねぇよ。」
凛が食い気味に突っ込んできた。
「で、それが原因なの?」
真琴が不思議そうにしている。
「いや、冬の季節にね?屋上から飛び降りて死ぬっていうのをフラついた時に見たの。でね?飛び降りてる途中に青い瞳の女の子と目があったの。」
「それって泉さんのことかな?」
「あぁ…だろうな。」
ハルと真琴が『泉さん』という名前を出したけど一体誰だろうか。
「その泉ってのは岩鳶のマネージャーのことか?」
「うん、そうだよ。」
真琴が凛の質問に答えた。
けど、何故だろう2人の表情が曇り始めた。