第3章 新たに
プールに着くとそこには凛とハルがいた。
私はすぐに3人に謝った。
「ごめんなさい、凛、真琴、ハル。私、記憶失くしちゃってて全く3人のこと思い出せないの。
本当に、本当なの…ドッキリじゃなくて…その…」
凛の大きな手が私の頭の上にきた。
私は目を閉じた瞬間、頭をクシャッと撫でた。
「お前がそこまで言うなら信じる。」
凛はクスッと笑いながら、更に頭を撫でられた。
「でも、お前名前は思い出したみたいだな。」
「名前は携帯から確認したし、今まで3人とはどういう仲だったのかも。」
凛は少し哀しそうな顔でそうか…と呟いた。
「あと…『見たことのない景色』が分からない。」
3人の顔が俯いた。
「でもね…泳いだら分かるのかもしれない。」
私はプールサイドに腰掛け、片脚を水につけた。
「お前、分かってんのか?俺達が男だってこと。」
凛が私の肩を強く掴み、私がプールに入ろうとしたのを防いだ。
「今日はプールじゃなくてファミレスに行こう?」
真琴が私を宥めるように言う。
「じゃあなんで、プールに来たの?」
「お前が少しでも思い出すんじゃないかっていう真琴の提案だ。」
ハルが説明してくれた。
「ありがとう!ハル!」
「別に…」
少し照れながらハルはフイッと顔をそらした。