第3章 新たに
眼が覚めると朝になっていた。
今日は真琴君と会う日。
私はベッドから飛び降りて身支度を始めた。
でも、喋る時って今まで通りにした方がいいんじゃないのかな。
確か真琴と呼んでいた。
そうだ七瀬君はハル、松岡君は凛って呼ばなきゃ。
私はカバンに携帯と財布と人魚姫の本に挟まれていた幼い頃の写真を入れた。
何故だからわからないけど、この写真は自分の記憶の一部を思い出させてくれるような気がしたから。
数時間後、家のインターホンが鳴り、急いで玄関に向かった。
「こんにちは、悠」
ニコッと笑う真琴。
「昨日はごめんなさい。真琴。私、記憶を「その話は目的地に着いてから!」
少し声が嬉しそうに聞こえた。
「真琴、何処へ行くの?」
「ついてきたらそのうち分かるよ!」
真琴の後ろをついて行くと自分の通っている岩鳶高校が見えた。
「プールへ行くの?」
私は真琴の服の裾を少し引っ張って聞いた。
「ご名答!じゃあ2人とも待ってるから、早く行こう!」
「2人とも?」