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親友を取った男の部下に堕とされました

第5章 拉致


「彼の”巣”はこんな所にもあったわけだ」
巣?
引っかかる一人言。
「月島、Aで行くぞ」
「高橋はまだ子供ですが」
「子供とは言え高校生だぞ。十分だろう。むしろA以外に何がある?」
「………D、などは」
「お前もエグい事を言うなあ、Dは傷痕が残ってしまうじゃないか。とにかくAだ。いいな」
「わかりました」
質問を無視されたどころか何かよくわからないが物騒なことだけはわかる相談を目の前でされ、恐怖が増してくる。Aってなんだ。傷痕が残るっていうDも怖すぎる。
月島が俺の方へ歩いてきた。
「悪いな」
ドッ、と身構える間もなく腹に膝蹴りを入れられて、胃の中のものが急にせり上がってきた。急すぎる展開に頭が一瞬真っ白になる。
「ッえ゛、ごほっ、お゛ッ……」
「吐きそうか?それならそれで構わん」
咳き込みが止まらない。胃の中のものと言ったって腹は空っぽだったから、出てきたのは胃液だけだ。
「お゛えッ……げほ、ごほっ…」
月島は、顔は怖いけど暴力を振るう人じゃないと思っていたのに。
…いや、月島本人はそんなこと一言も言ってない。俺が勝手に作った像を信じ込んでただけだ。
意識が薄れていく。俺はこのまま殺されるんだろうか。
「後は頼んだぞ、月島」
「はい」
せめて最後に弥作に会いたかったな。ぼんやりと思いながら、俺は気を失った。
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