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親友を取った男の部下に堕とされました

第6章 地獄の始まり


「…………ん…」
目を覚ますと薄暗い場所に居た。
「起きたか」
「…月島、さん……」
鉄骨が所々剥き出しになった冷たい壁。どこからか吹く隙間風。絵に描いたような廃墟で、俺はパイプイスに縛りつけられていた。月島がひどく冷たい目で俺を見下ろしいる。本気で殺されそう、というか、よく寝てる間に殺されなかったもんだ。
ここには俺と月島しかいないようだった。
「鶴見課長がお前に望んでいるのは、江渡貝くんが我々に協力する事に対して口を出さないことだけだ」
「………」
「今それを約束してくれるなら、拘束を解いてすぐ家に帰す」
「……嫌だと言ったら?」
「お前が約束すると言ってくれるまで辛い思いをしてもらうことになる」
「…はは、ほんとに映画みたいですね。そこまで弥作が欲しいんですか?」
「彼の技術は我々に必要だ。それで、答えは?」
「死ぬまでそんな約束なんかしてやりません」
べ、と舌を出す。月島は駄々っ子を見る父親みたいな表情でため息をついた。
「じゃあ、辛い思いをしてもらうしかないな」
月島の瞳がすうっと冷める。いらない挑発はしなきゃよかったかな、とちょっとだけ後悔した。
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