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親友を取った男の部下に堕とされました

第4章 カウントダウンと決定打


そこで漁ったページの中に、金の出入りが記入されたページを見つけた。入った金額だけを計算していくと、第七商社で不自然になくなった金額と一致した。決定的だ。
鶴見は自身の会社を作っていて、その資金に自分が働いている会社のものを使っている。
…だが、その鶴見が作った会社は、何をするための会社なんだろうか。なにぶん暗号化されていてわかりようがないが、弥作の技術を何に使う気なのか、俺としてはどうしてもそこを知りたかった。
極秘ファイルのタイトルは「remembrance day」。調べてみると第一次世界大戦の終戦記念日のことだった。その日に捧げられる花は、赤いポピー。ポピーは日本語で言うと芥子の花だ。
「………まさか…」
一つの可能性に辿り着き、やっと見つけた決定打に思わず口角が上がってしまう。しかし同時に鶴見への恐怖もこみ上げてくる。依然として全貌は見えないが、俺の立てた仮説が正しければ、鶴見は相当な危険人物と見て間違いない。
それでも、だからこそ、そんなやつに弥作を渡すわけにはいかない。
俺はグッと拳を握った。
時刻はもう夜だった。
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