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親友を取った男の部下に堕とされました

第4章 カウントダウンと決定打


次の日、木曜日の朝。
「なあ弥作、話があるんだけど」
「どうしたの、ゆうは」
「来週末の弥作と鶴見…さんが会う前に、俺が鶴見さんと話したいんだ。出来れば直接会いたい。連絡頼んでいいか?」
「なんで?」
「俺の親友をよろしくお願いしますって、言っておきたい」
「そんな事しなくたって大丈夫だよ」
「頼む」
呆れるように弥作は笑ったが、俺からすれば弥作が行ってしまうのが決まる前に鶴見に会うことはひどく大事なことだった。
まだ決定的な弱みと言えるような情報は一つも見当たらない、それでも面と向かって抗議することくらいは出来るはずだ。大体、探偵事務所も調査出来ない「個人」に後ろめたいことがない訳がないのだから、何も出てこないはずがない。
「頼むよ、弥作」
真っ直ぐ弥作の目を見つめる。弥作は、ぐ、と言い詰まってからため息をついた。
「仕方ないなあ。今日帰ったら電話してみるね」
「ありがとう」
俺はホッと肩の力を抜いた。そして同時に少しだけ胸が痛む。弥作は弥作の希望で鶴見の所へ行きたがっているのに、俺は俺のエゴでそれを引き止めようとしているのだから。でもやめる気にはならない。俺は弥作と一緒にいたいだけだから。
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