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親友を取った男の部下に堕とされました

第3章 ヤバイ男


だが学校から帰って探偵事務所に電話をすると、俺が用件を伝えるより先に謝られた。
「申し訳ありません」
「……何がですか?」
「高橋様からお受けした依頼ですが、諸事情により継続する事が出来なくなってしまいまして」
「…………え?」
一瞬頭が真っ白になった。どういうことだ?
「諸事情って、どういうことですか?せめて理由をちゃんと」
「お教えできません。本日分の調査報告も出来ませんが、お代もいただきませんので、何卒ご了承ください」
「そんな、今日の分があるならせめてそれだけでも…」
「申し訳ございません」
ぶつ、と電話が切れた。
「なんだってんだよ…」
俺はしばしあっけに取られた。
探偵事務所が尾行もできないような男なのか、鶴見って。

ぞわ、と寒気がした。真っ暗な泥沼のど真ん中に、ずるずると沈んでいるような錯覚に陥った。
今日わかったのは、鶴見が、誰にも手出しできないくらいヤベーやつってことだけだ。
垂れた冷や汗がキーボードに落ちたので慌てて拭いた。
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