第8章 餓え
その後、ガイタスはウィーダとイリアを別々の部屋へ運び、ウィーダの変化の兆候を見受けられないこと確認した後、血痕を辿ってマルクとキサラが居る部屋へと来ていた。
ガイタス:「ひどい傷だな……。生きているのが不思議なくらいだ。」
切り裂かれた背中をベッドにつけないように、横向きに寝ていたキサラの傷をガイタスは診ていた。
隣でベッドに横たわるキサラの頬に触れるマルクの顔は、長年側に居るガイタスでさえも見たことのない、暗く、悲しい表情をしていた。
マルク:「彼女に、『守って』と言われたのに、約束をしたのに、守ってあげられなかった……。」