第8章 餓え
キサラ:「ごめ、んなさい……。マルク…。たいせ、つなひと、きずつけて…。」
そう言った彼女の左手には何かの薬が塗ってあるナイフが握られており、そのナイフは何故か、座り込むキサラの横にぐったりとした様子で倒れていたウィーダの左腕に深々と刺さっていた。
しかし、ナイフを刺されたウィーダよりも、キサラの方が重傷だった。
マルク:「キサラ!!!!」
マルクが叫ぶようにキサラの名前を呼ぶのと同時に、血を吐き出して倒れた。
キサラはウィーダの爪によって背中が切り裂かれていた。流れ出した血は、その場で止まらずに溢れかえるように床を血の海にしていった。