第4章 純血と混血
女性は少し驚いたような顔をした後、やんわりと笑ってキサラに話しかけた。
女性:「……。ふふ。やっぱり貴女には普通の人間にはない力があるみたいね。あのマルクが貴女を守った理由が今ならわかるわ。」
キサラは小首を傾げた。力がある?マルクというあの美青年が私を守った?一体どういうことなのか。
攫われたのではなく、助けられたということなのだろうか……。と悶々と一人で考え込んでいると、血の気のない指先がキサラの眉間に当てられた。
女性:「そんな顔していたら綺麗なお顔が台無しよ?何か悩み事かしら。あぁ、もしかして私のことで悩んでいたのかしら?」
そう言うと、彼女はキサラの顔を両手で包み込んで口を開いた。
「初めまして。キサラちゃん。私の名前はイリア・ジャルウィス。あなたのお察し通り、ヴァンパイアよ。マルクとはちょっと違うんだけれどね。」
自己紹介を終えると、顔から手を放し、椅子に座った。
キサラの顔を少し見つめた後、「聞きたいことはないの?」と聞いてきた。