第20章 アングレカムの願い事
そう言いかけた瞬間だった
「カカシィ!!!助けに来たぞ!」
「…が、ガイ?!」
「綱手様!カカシの代わりは、カカシの永遠のライバル、このマイト・ガイが!引き受けます!
だからどうか楓のところへカカシを行かせてやってください!
カカシには、楓が、楓にはカカシが必要なんです!
2人が揃わなければ2人の力は0どころかマイナスになるのがまだわからないのですか!?」
扉を開けるなり大声でガイさんが話す
(今しかない!!)
「ぼ、僕もお手伝いします。楓がいなければ僕は今ここにいません。そんな彼女を見捨てて戦うなんてできません!
カカシ先輩をどうか楓のところへ行かせてください。
カカシ先輩の代わりを僕ができるとは思いませんが、ガイさんと2人なら、綱手様もいいでしょう!?」
綱手様は木の葉の里の火影だ。そしてこの忍界大戦での五影の1人なのだ
事情を分かった上で、楓の命と何万、何十万の命を天秤にかけなければいけないとなると
何万人もの忍を率いるカカシ先輩を引き止めるのも理解できる
他の忍を楓のところへ連れて行けばいいと思うことも、わかる
でも…
「カカシ先輩…必ず楓を助けてきてください。先輩だから、頼めるんです。僕も、カカシ先輩に助けて帰ってきて欲しいです」
「ガイ…それに、テンゾウも…ありがとう…」
「綱手様!どうか許可をいただけませんか!」
ガイさんはそう大きな声で叫ぶと床に額を擦るように大きく土下座をした
「ガイ…一体何を言い出すと思ったら、お前の率いるガイ班はどうなるんだ?お前がいなくて誰が率いる!」
「彼らは自分の教え子です。彼らが自分なしで戦えないような忍だとは一度たりとも思ったことはありません!」
「テンゾウも、気が狂ったのか?お前は1番合理的に物事を考えられる男だっただろう!?」
「綱手様。楓は僕にとって大切な妹なんです。
僕には無理だった。だから、必ず助けてくれる人にお願いしたいんです。」
「お前らは…!戦争をなんだと思ってるんだ…!あぁ…本当に忌々しい…!
もう、もういい!好きにしろ!しかし全員生きて帰れ!これが火影命令だ!」
数秒間時が止まる
そして一斉に声を揃えて僕たちは返事をする
「「「押忍!!!」」」