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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第20章 アングレカムの願い事


テンゾウside

「無理だ!何を考えている!お前はこの忍界大戦で部隊長として動く人間だ!楓のことが心配なのはわかるがお前をそっちに配置することなんぞできぬ!」

情報共有と共にカカシ先輩は役割変更を申し出たが、案の定火影室で綱手様の怒号が響いていた

「綱手様、今自分は楓がいないと無理だと伝えました。自分は隊長なんてできません。
今すぐ楓のところへ行かせてください。」

「私情を挟むな!この世界の人間の命がかかっているんだぞ!」

「楓が隣にいない今、オレは戦えないって言っているんです!彼女を助けたら、一緒に戦います。オレが隊長として戦争を開始して誰が楓を助けてくれますか?必ず助けてくれるんですか?
楓とテンゾウが連れ去られたときに綱手様が仰った言葉を覚えていますか?『今は考えるな』と。
……オレはずっと、楓の命がなくなったらどう責任取るんだって言ってるんだよ!」

カカシ先輩がここまで感情を露わにしたのを僕は初めて見る

「カカシ先輩!とりあえず、落ち着いて!!」

「テンゾウもそうだろ!?」

「えっ、いや…そりゃ……」

綱手様の前でどう答えるべきか狼狽えているとまた横から怒鳴り声が自分の耳を劈く

「口を慎めカカシ!お前は木の葉の忍だ。これは火影命令だと言っているだろう!」

ドンっと言う音共に火影様の机にヒビが入る

「楓がいないこの世界をオレが何を思って守ればいいんです?
そんなくだらない命令を聞かなければいけないのであればオレは今すぐここで忍者をやめます。
綱手様の描く木の葉の忍はオレの思っている木の葉の忍と違うようですから。
守りたい人1人守れない人間が里を守るなんてできるわけがありません。
これで最後にしてください。オレはこれから楓の所へ行きます。」

(カカシ先輩が忍者として戦力でなくなるのはかなりまずい
ここは楓を助けてから合流が合理的だと思うけれど…)

そう思いつつ横目に綱手様をみるがそんな判断を下すような雰囲気ではない

「そうか、そこまで言うのであればわかった。
はたけカカシ…お前は今日付けで…
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