第20章 アングレカムの願い事
カカシside
時間が止まった気がした
オオノキ様を除く五影の皆さんと戦争でのグループの隊長であるオレを含め5人が集まった会談の途中でオオノキ様からの伝達が来る
「ナルトの居場所がバレて、そして…テンゾウと…楓が、連れ去られた……?」
冷や汗が止まらない
こういう時こそ冷静に考えなければならない
「カカシ、しっかりしろ!」
綱手様がオレにそう呼びかける
「は、はい。すみません。」
言葉でそう言いつつもうるさい程になり続ける心臓の音は治ることを知らない
「みんな落ち着くんだ!一旦考えるな、今は目の前のやるべきことに集中しろ!」
綱手様の声が響く
「「「「「押忍!」」」」」
周りが返事をする中自分は声さえ出せなかった
解散後オレは外のベンチに座り戦争時に率いる自分の部隊メンバーの書類をひたすらに頭に入れようとする
今回の戦争で組まれた忍連合では
第一部隊は中距離戦闘を得意とする忍が集まり、
第二部隊は近接戦闘に特化した忍
第三部隊は中距離と近距離をサポートする役割の忍
第四部隊は遠距離部隊
そして第五部隊は秘伝忍術を行う忍の部隊と
総勢8万の忍が大きく5つの部隊に分かれている。
そしてオレが担当するのは、第三部隊隊長。
誰がどう考えてもオレがここを離れることは難しかった
(楓…いや、テンゾウがいれば大丈夫…大丈夫だ、落ち着け…)
冷静になろうとするほど頭の中は楓の事だらけだった
「カカシ先輩…!」
(この声は…!)
テンゾウが勢いよく走ってくるのが見える
「て、テンゾウ、拉致されたんじゃなかったのか!?楓は、楓は…!?」
そう言うと同時にテンゾウの手元に花束が見える
直感的に楓がここに戻ってきていないことがわかった
「楓は1人で暁の奴らのところにいるっていうのか!?」
「…本当に、本当に申し訳ございません。
カブトに捕まり、その後うちはマダラ達と接触しました。楓の判断で僕だけなんとか抜け出したのです。2人で息絶えるより、助けを呼んできてくれと。楓はカカシ先輩、あなたを待っています。至急楓を助けに行きましょう」