第20章 アングレカムの願い事
しかし彼女が髪を耳にかけた瞬間見えてしまった
「楓!顔が…!」
首元まで既に葉が彼女を侵食している
「これくらい、大丈夫。でも、もう時間がない。私がこれを使える時間は限られてるの…テンゾウお兄ちゃん…行って!!!」
楓がそう叫んだ瞬間先ほどよりも大きな風が吹き、僕と楓の間に大きな地割れが発生し、
それと同時にその間から大量の草が生えてきた
「そんな事させないよ、2人とも僕達が使うんだから」
カブトが楓の横を通り地割れしたところを飛び越えようとした瞬間止まる
カブトの足をたくさんの草が掴みカブトは口を抑えた
「な、なにを…!」
「ねぇ、あなたの相手は私だよ?
ここにある植物は全部私が操ってる。
光合成くらいは知ってるよね?
植物は日が出ていれば二酸化炭素を吸って、酸素を吐く。
夜になればその逆を行うの。
この子達には光合成をストップしてもらって今凄いスピードで呼吸をして二酸化炭素を吐いてもらってる
そこの境目で今、人間は息ができない。
その先のテンゾウお兄ちゃんには指一本触れさせるつもりないから。」
「小癪な真似をしやがって!」
カブトは足元の草を切ろうとするが倍の速さで彼の体を草が包む
「テンゾウお兄ちゃん…!!!おねがい!早く!もう持たない!!」
楓がそう叫ぶ
(もうこの子にかけるしかない…)
「楓、楓!絶対に助けに来る!だから、耐えて待っててくれ!!!」
僕は猛スピードで木の葉の里に戻った