第20章 アングレカムの願い事
「…そんなことさせないよ……」
横で小さく楓が呟く
「…よっこいしょ。……はぁ、私、蛇とか虫とか苦手なの。勘弁してほしい。」
「え、楓…!?」
彼女はいつの間にか蛇から抜け出し立ち上がった
「蛇いちごでーす。テンゾウお兄ちゃん、力込めて腕動かして。」
言われたまま体を動かすと蛇いちごにむかって動き始めていた蛇が力を抜きするりと体が抜け出せた
「……お前、印も結べなかったはずなのになぜ…」
カブトが大きく驚く
ゼツとマダラはそれを静かに観察していた
「これは驚いたな……立花家の者か」
「……お母さんを知ってるんですね、マダラさん。」
「噂だけだと思っていたが…まさか娘まで持っていたとはな」
「楓、どういう事なんだい?」
楓は僕の方を向いて優しく笑う
「テンゾウお兄ちゃんは私の本当のお兄ちゃんだった
って事だよ。まぁ親は違うけど間接的には、ね。
前、伝えようと思ってたんだけど、タイミング失っちゃって。ペイン戦でさ、私お母さん達に会ってきたから…」
「大蛇丸様の実験で柱間細胞を体内に植え付け…成功したうちの、1人……脱走後死んだと思っていたけど、娘までいたんだね。
そりゃ君も陽のチャクラが使えるわけだ。疑問が解消されて嬉しいよ」
「カブトさん…私のお母さんはもっとすごいですよ
…私の大好きなお兄ちゃんにこんな事したの、絶対に許しません」
大きく風が吹くと自分たちの後ろにいたカブトは足下の蔓によってうちはマダラの方に飛ばされる
「楓!よせ!相手は3人、しかもうちはマダラもいる!分が悪すぎる!」
「テンゾウお兄ちゃん…私は最初から私たちだけで勝とうとなんて思ってないよ。でも負ける気もない。
このまま私たちが何もしなかったら、2人で死ぬだけだよ」
切なそうに楓がそういうと次は僕の身体が大きく反対側に飛ばされた