第20章 アングレカムの願い事
テンゾウside
「楓!楓!!目を覚ませ!」
大蛇に飲み込まれた僕たちはカブトに捕まったまま、地面に打ち付けられ体を蛇で抑えられている。
そして目の前にうちはマダラと暁のゼツが立っていた
「ど、どうなってるんだ。どうして僕達を…お前らの目的はなんだ…!」
「テンゾウお兄ちゃん…」
横で同じように横たわっていた楓が目を覚ます
「楓!良かった…今助けるから…」
しかし体を動かそうとしてもびくりとも動かなかった
「あなたたちは…」
楓はうちはマダラ達を見て驚いている
「カブト、随分と俺たちの頼んだものと違うものを持ってきたな?しかも2体、なんのつもりだ?」
「えぇ。九尾と八尾は取り損ねましたが…、これはこれで僕達にとって凄くメリットがあるんですよ。
この2人、ご存知の通り柱間細胞が埋め込まれていましてね。
つまり、陽のチャクラが使える。
戦争でゼツさんを大量に使いますよね?
彼女らの力を使えばその戦闘力がグンと上がります。」
そうか…あの時、一筋縄ではいかないとわかった瞬間狙いを楓と僕にしたのか…
(最悪な誤算だ…なんとしてでも楓だけは助けなければ…)
「へへ、そういう事か…。」
楓は切なそうに笑うとあげていた頭を地面につけ俯いた
誰よりも役に立ちたいという気持ちが強いのに敵の材料になるのは彼女にとって1番の悲劇だろう
(それに…)
僕達が敵のために持っているチャクラを取られ切った時、僕達が死ぬのは確実だ。
彼女もそれがわかっている。
どんなに頑張っても体が動かず何もできない
腕が動かせない今、印を組むことさえできなかった
「なるほどなぁ。まぁ、手ぶらで帰ってこられるよりはマシってことか」
「時間の問題です。彼女らがいれば僕達の戦闘力も上がりますし。それに、僕達には穢土転生がありますからね」
メガネをくいっとあげるカブトの顔は大蛇丸と全く同じ表情をしていた