第20章 アングレカムの願い事
「楓!気をつけて!何が起きてるかわからない!」
「て…っ!テンゾウお兄ちゃん…!後ろ危ない!」
カブトから長い蛇が伸びる
急いで印を組みヘビを蔓で縛って潰し
テンゾウお兄ちゃんの隣へ移動する
「助かったよ、楓。ありがとう。少し下がってて、次で捕まえる。……すみません!少し手伝ってくれますか!」
側近の方にテンゾウお兄ちゃんは声をかけると同時にすごい速さでシュルルと音を立てながらカブトをあっという間に捉えた
「気をつけてください、そいつ何をするか読めません!」
「ヤマト、よくやったぜよ。ここからは自分が…
オオノキ様がそういいかけるとカブトは大きく口を開き、そこから大蛇が生まれる
「ひっ…」
あまりの怖さにテンゾウお兄ちゃんの服の裾を掴んだ瞬間だった、ものすごい速さで私とテンゾウお兄ちゃんは大蛇に飲み込まれる
「…えっ?……テンゾ…お兄ちゃ…何が起きて……」
「楓!!だめだ、意識を失うな!」
(息を吸うのがやっとだ、苦しくて仕方がない…)
外から私たちを呼ぶ声がかすかに聞こえる
テンゾウお兄ちゃんにぎゅっと抱きつきながら何が起きるかわからないまま、自分は意識を失った