第20章 アングレカムの願い事
「なぁ、楓ちゃん。オレはどうすればいいんだろう。オレは自分の忍道に沿ってがむしゃらに進んできただけなんだ。そんな大層なことしてねぇし、今周りから受ける優しさが…正直気持ち悪いんだってばよ」
「……うん、そうだよね。」
凄く気持ちはわかる。私だって感じている違和感だ。ナルト君本人はさらに気持ちが悪いと思う
(私に何かできることはないかな…)
「……!!あっ、ちょっとまってて!」
私はふと森の方を見ると小さい黄色の花を見つけた
(これだ!)
一つだけその花を持ってナルト君の元へ戻る
「何を持ってきたんだってばよ?」
「サンビタリアだよ。これこれ。たまたまあって良かった。これね、ナルト君の誕生花!10月10日だよね?」
「…楓ちゃんはそういうの、ほんとよく覚えてるよな。」
少し切なそうな顔でナルト君はこっちを見る
「大切な仲間だからね。私にとってナルト君は太陽みたいな人だから。いなきゃだめなの。」
そう言って手のひらに乗せた小さな黄色い花を見せる
「…しかし、オレの誕生花ってそんなちっこいのかよ…」
「違うよ。これは今私が一つだけ摘んだだけだから。
本来のこの花の姿はこうじゃないの。少し待ってね…」
砂利をどかし土が見えたところにそっと花を置く
「草遁、草花再生……開花!」
座っていた私とナルト君の前をたくさんの黄色い花が覆い被さるように咲き乱れる
「ふふっ、これ自分でやっておいてあれだけど、ナルト君の多重影分身と凄く似てない!?」
「あ、あぁ確かに…色も黄色だし…ってか楓ちゃん、何がしたかったんだってばよ……何度見てもすげえけど…」
半分呆れた顔でナルト君はその花を見ていた