第20章 アングレカムの願い事
「うんうん、その調子。草で家くらいはもう作れるレベルまで来たね。それに封印術もこのままいけばすぐにできそうだ」
「意外と居心地よいですな〜」
褒めてくれているテンゾウお兄ちゃんの横で私は大きな葉をいくつか絡めてハンモックを作りだらける
「あ、こら。すぐそうやって休む。ダメダメ、続けるよ。それに楓は草遁はかなり身につけてきたけど、元々性質変化する前の水遁と土遁は基礎しかできてないんだから」
「厳しいですお兄ちゃん〜ちょっとはできますぅ〜」
印を結び、水と土の性質変化で泥の滝をつくる
「あ!こら!今ここでやれってことじゃない!コラー!!!」
泥だらけのテンゾウお兄ちゃんが鬼の形相(のつもり)の顔で追いかけてくる
「ふふっ、実はこれもできまして…土遁、追牙の術!」
「ワンワンワンワン!!!」
「ええっ!いつの間に口寄せもできるの!それはカカシ先輩の技じゃない!!」
「えへへ、実は前にね、パックンに頼んで私も契約して〜って頼んだの」
「カカシ先輩だけじゃなくてパックンまで楓に甘いのかい!?」
テンゾウお兄ちゃんはわざとらしく大きなため息をつくとやれやれと言いながら頭をポリポリとかいた
「不要不急の呼び出しはあれかなと思って、今回は未来で大活躍間違いなしの可愛い子犬ちゃんたちだけ呼んでみました」
「…くっ…確かに…可愛い…。ほら、こっちおいで…、おーよちよち…」
テンゾウお兄ちゃんは子犬に夢中になり撫ではじめる
ーーーガブッ
「痛った!!!痛い!楓!この子達躾がなってないよ!」
「ふふっ、あはは、だって、今のテンゾウお兄ちゃん、泥だらけでお化けみたいで怖いもん…っ!ふふっ…」
「一体誰のせいだと!」
ーーーガブガブッ
「あー!痛いって!ごめんごめん!僕が悪かったから!離れてくれないか!?…こら!楓!」
「はーい。みんなこっちおいで〜せっかくきてくれたから、おやつあげるよ〜」
「全く…君は本当に何しにきたんだい…」
「修行〜」
また大きなため息が聞こえると、ちょっぴりごめんねという気持ちと幸せが私の心を満たしていくのだった