第19章 守りたい日常
「行ってきます」
「忘れ物はない?一応色々持っておいた方が…」
「大丈夫!それにテンゾウお兄ちゃんのところに行くだけだからね!一応イノちゃんの所で種だけいくつか調達してから行こうかな」
「一緒に行こうか?」
「ううん、大丈夫だよ。カカシ先生も忙しいと思うし、なによりイノちゃんにいじられちゃいそう」
カカシ先生と一緒に行ったりでもすれば後日質問責めになるのは目に見えていた
「確かに。そりゃ大変だ。…頑張っておいで、待ってるから。」
「うん。ありがとう」
カカシ先生の方を見つめると先生は優しく額にキスをする
「…っ!も、もう!行ってきます!」
「はいはい。行ってらっしゃい〜」
手のひらをひらひらと振る先生を背中に数歩前に進む
振り返るとふわっと風が吹く
(そうだ…この風があれば……)
少しだけ目を瞑り、力をこめてから瞼を開く
風と共に花びらが宙を舞った
青空とこの花びらたちはいつも私の背中を押してくれるようで
昔からこの景色が大好きだ
ーーー先生も、好きだといいな。
いつものように手を顔に近づけて口の横に添える
「カカシ先生、大好き!」
よし、今日もちゃんと伝えられた。
これ以上見ていたら離れられなくなっちゃいそうで
私は笑顔でそういうと振り向かずにイノちゃんのお店まで駆けていった