第19章 守りたい日常
オムライスに描かれたにこにこなカカシ先生と全く同じ表情で先生はまた私を撫でてくれる
「で、どうしてこれ描いてくれたの?」
「犬なのは人間描くのは難しいから犬にしただけで…ずっと楓の隣にいたいって思ったから。真横にオレの絵を描いたの。ハートが歪で描き直したかったんだけどなぁ…」
「えっ…」
「ん?で、楓のやつは?」
(いやいやいやいや、同じ理由で同じこと書いてるなんて恥ずかしすぎて見せられない。というか変な文だし本当に見せられない…!)
「い、いや、実はまだできてなくて…」
焦ってバレバレな嘘をついてしまう
「こら、嘘つくな。さっきやり直したいとか言ってたでしょ」
カカシ先生が立ち上がり私のオムライスに近づく
必死に背伸びをして隠すが、努力も虚しくカカシ先生は私を前から抱きしめるように抑え、私の頭の上から簡単に後ろに置かれたオムライスを見た
「…ちょちょ、だめ!だめー!!
………うわ…やっぱり見た…?…よね。
…うぅ…恥ずかしい……私も絵にすればよかった…」
私がそう言っても聞こえていなかったのか
カカシ先生はしばらく黙っていた
「いや、ほんとなんか、変な文になっちゃって…。へへ…やっぱ書き直そうかな…」
沈黙が少し気まずくなりそういうとやっとカカシ先生が声を出す
「…ダメ。はぁ、なんでオムライスなんか考えるかな…」
「え…ご…ごめんなさい。もしかして嫌な気持ちにさせちゃった…?
私、私も先生と同じでずっとカカシ先生の隣にいたかったんだ。これからも先生の笑顔を隣で見ていたかったの…
出過ぎた事、書いちゃったかな…」
なんだか悲しくなって俯くとカカシ先生はもっと強く自分を抱きしめる
「いや、これ食べるの勿体無くてどうしようかと思って」
「え?」
「嬉しすぎるでしょ、これ。お互い同じ事思って同じ事書いてるんだから。
やっぱこれ食べなきゃダメなの?」