第19章 守りたい日常
「よっし!できた!これで多分あってるはず!」
楕円形に卵で包んだ黄色い塊を見てこれであっているか少し不安を覚えつつ、
テーブルにひとつ、そしてキッチンにひとつオムライスの乗ったお皿を置く
「先生はテーブルで書いて!何書くかは見るまで秘密ね」
「はいはい。…んー、これ迷うね。絵でもいいの?」
「いいんじゃないかな?私もどうしようかなぁ。」
先生とずっと一緒にいたい
これからの幸せも一緒に分け合いたい
ずっと先生の笑顔を見ていたい
ん〜
(隣がいいです…っと。)
書き終わってから読むと意味不明なことを書いていて恥ずかしくなる
「うわ、どうしよ、これ意味わかんないこと書いちゃった!七夕の短冊じゃないんだし…こ、これ…やりなおしたい…」
「何言ってるの。だめ、少なくともオレが見てからじゃないと」
「えぇ…先生はかけたの?」
「んー、もうちょっと。これ難しいね」
「まだー?」
「まだ。せっかちだなぁ。ちょっと待って…いやこれはやり直しかな…ちょいちょい…」
「あ!だめ!やり直しはダメって言ったのカカシ先生じゃん!」
咄嗟に振り返ると先生が書き途中のオムライスが目に入る。
犬が2匹、真ん中に歪なハートが描かれていた
「あ、ちょっと。まだ途中なのに」
「えっ!可愛い!なにこの犬、めっちゃ目つき悪い!こっちの犬はにっこにこだね」
「もう…。まだ描き途中だっていったでしょ。
こっちのにっこにこは楓。笑顔の楓が好きだから」
また少し照れたように額当てを触っているカカシ先生を見るとオムライス様様だと幸せを噛み締める
「そしたらこの目つきの悪いのは…パックン?」
「なんでそうなるの。こっちはオレ。上にハート描いてるでしょ。パックンと楓が仲良しになってどーすんの。オレが嫌だよ。」
「ふふっ、パックンとも仲良くしたいけどなぁ。でもどちらにせよカカシ先生こんなじゃないよ!もっとかっこいいもん!」
「じゃ隣にもう一個オレ描いてみてよ」
「いいよー?」
空いたスペースにいつも優しく笑う先生を犬に見立てて描いてみる
「それ、オレが描いた楓と同じ顔じゃない」
「違うよ!カカシ先生はこうやって優しく笑っていつも私のことみてくれているの。」
「…ははっ、お互い同じように見えてるってことね。」