第19章 守りたい日常
「もう一回!お願いします!」
「うん、少しずつ掴めてる気がするよ。オレが流すチャクラの量も少しずつ少なくなってる。それだけ均衡が取れるまで近づいてるってことだから」
修行がはじまってからはひたすら生命エネルギーを入れては出す練習をしており、
カカシ先生が横にいれば基本的には問題なく扱えるようになっていた
生命エネルギーを含んだ草遁の力は自分が想像していたより遥かに強かった
「もはや木遁ですって言っても疑われないね、これ」
カカシ先生は汗を拭いながら辺りを見渡す
「やっぱりまずいかなぁ…ふ、復興ってことで許してもらえたりとか…」
はじめはひらけた芝生のスペースも木々が生い茂ったスペースと化しており、小さな森のようになっていた
「ははっ、大丈夫でしょ。まぁなんか言われたらチョウジあたりに全部肉弾戦車してもらっちゃおう」
「ふふっ、それナイスアイデアだね。チョウジ君用にポテチ買わないと」
そんな他愛の話をしていると後ろから声が聞こえてくる
「カカシ先輩!楓〜」
「テンゾウお兄ちゃん!」
テンゾウお兄ちゃんはあたりに驚きながら私の前に来て立ち止まった
「すごいな。この感じを見ると修行も順調そうだね。偉い偉い。」
テンゾウお兄ちゃんは昔と同じように私の頭を撫でる
あたたかくてカカシ先生より少し大きな手のひらはまた違った安心感があった
(まぁうまく言葉にはできないんだけど…)
「楓の草遁と生命エネルギーはかなり相性が良さそうで、結構いい感じだよ。
ただ、植物を扱う以上自分が肥料になっちゃうリスクもあるから戦闘で使う場合は慣れてきてもツーマンセルで行うのが必須になりそうだけどね。」
カカシ先生が誇らしげに自分のことを言っているとくすぐったくもすごく嬉しい気持ちでいっぱいだった