第19章 守りたい日常
「…なんか家が久々な気がする」
ここ数日とても濃い時間を過ごしたからかどっと疲れが出た
「食欲はある?なんか作るから少しそこで休んでて」
カカシ先生はソファーまで私を運びキッチンへ向かった
「…うーん。先生が作った目玉焼き〜」
「そんなもんでいいの?」
「うん。」
「焼き加減は?」
「とろとろじゃないくらいの半熟〜!」
「かしこまりました、お姫様」
「うっ、わがまま、すみません…」
「ははっ、いや、楓が素直に甘えてくるの嬉しくてさ。いいんだよ、ゆっくり休んでて。」
カカシ先生はすでに私の家のものがどこにあるのか大体覚えたようでまるでこの家に住んでいる人のように動いていた
卵を割って、フライパンに乗せる、
ジューっとした音が聞こえ、その間に飲み物を用意するカカシ先生の背中をソファーからずっと見ていると
これから戦争なんて嘘のように感じる
「なんか、カカシ先生が家にいると、それだけですごく幸せ。
今は背中見てるだけで幸せで仕方ないや」
「なーに可愛いこと言ってるの。そのうちすぐ見飽きるよ」
「ううん、何度見ても飽きないと思う。先生が近くにいるだけで本当に幸せなんだ。
お家で誰かが料理をしてくれて、それが大好きな人で、私そろそろ幸せで死んじゃうのかな」
そんなことを呟くとカカシ先生はこっちに振り向く
「これからもっと幸せにするから。いらない心配せずにそこでのんびり待ってなさい。オレの背中、視線感じすぎて穴が開くでしょ。」
その優しい顔を見るとそこまで行って抱きつきたくなる
(はぁ、どんどん好きになってるな…)
「はーい。」
右手を見ると少しずつ力が入るようになっていた
ぐーぱーぐーぱー
右手を動かしながら安心する
ソファーのクッションを抱きかかえ、横に転がると目玉焼きの良い香りとリズムよく聞こえるまな板と包丁が当たる音が心地よくうとうととしてしまう
「カカシ先生…」
「うん?」
「大好き。」
「はいはい。」
嬉しそうなカカシ先生の声を聞くと
自分の瞼が勝手に閉じた