第19章 守りたい日常
「…カカシ先生……」
たおれそうになる私の背中をカカシ先生が咄嗟に支えてくれる
「大丈夫か!?楓がいま、飲み込まれそうになっていて…」
「楓…!僕のチャクラ量がダメだったのかな…本当にごめん、大丈夫かい!?」
「……はぁ、はぁ…、うん。大丈夫…。でも…おそらく量の問題ではないかも。
テンゾウお兄ちゃんの陽のチャクラ…私には強すぎたのかもしれない。」
「えっ?と、いうと…?」
「そもそも私は木遁が使えない、草遁が限界だから。
もし陽のチャクラの陽の力に強弱があるのであれば、それを受け入れられる器が私にない気がした…しっかり流し込んでもらってたのにすごく苦しくなったの」
カカシ先生が心配そうに私をみる
「カカシ先生、ありがとう、あれなかったら私…」
「…良かった。」
背中に手を回し支えてくれていたカカシ先生が私にそのまま抱きつく
「本当に大丈夫だよ。今は元気。
テンゾウお兄ちゃんも、そんな悲しい顔しないで。
私にもわからないことばっかりだけど、2人がいてくれて良かった」
「…本当に申し訳なかった。確かに通常のチャクラは誰に流しても基本は問題がないけど…僕のチャクラは少し違うことを考慮できてなかった。なんなら寧ろ、適応しやすいとも思ってた」
「それはオレもだよ、テンゾウ。お前は悪くない」
カカシ先生は依然自分に抱きついたままそう喋っていた
「…カカシ先生も悪くないよ?誰も悪くない。ね?
それに良いことがわかった。カカシ先生のチャクラであれば何か起きた時も止めてもらえるわけだし、1人の時にこれをやらなきゃ良いだけなんだもん」
「そう…だな。本当に1人でやるのはやめてね?」
カカシ先生はそう言いながらまわしている手の力を強めていた
本当に心配してくれているのが伝わる
「うん。少量を勝手に使うくらいはおそらく今まだ通りできるんだけど、大変なことが起きたらいけないから、1人で何かしたい時は草遁を使うようにするよ」