第19章 守りたい日常
無事その日の夕方に退院した自分は
病室を苺で覆ったことを怒られながら、謝りつつ、
カカシ先生と病院を出た時に顔を合わせて笑った
「前代未聞だね、これは」
「カカシ先生、ごめんね。でも私、本当はちょっと面白かった」
「あっちも相当驚いてたしね。怒りながら苺たべて、あら意外とおいしいじゃない!ってあの人言ってた時、楓笑ってたでしょ」
「あれは笑わせにきてたって!」
しょうもない話をしながら2人で根っこごと苺を持ちながら歩いていると前からテンゾウお兄ちゃんが走ってくるのが見えた
「楓!…はぁっ、はぁっ、もう大丈夫なのかい!?」
「うん!おかげさまで!」
私はそういうと大袈裟に力瘤を見せるようなポーズをとった
「もう、人騒がせなんだから…カカシ先輩、ありがとうございます。すみません、僕がすぐ止めなかったせいで楓が…」
「あれはテンゾウお兄ちゃん悪くないよ。あ、それより苺食べる?」
「カカシ先輩も持ってるけど、これ一体どうしたの?」
「ははっ、テンゾウにもちゃんと説明しなきゃだな。テンゾウ、まだ復興が終わってなくて植物植えられる場所とかあるかな。
元々は鉢に入ってたから楓の家で育てようとか思ってたんだけどさ」
暫くテンゾウお兄ちゃんは顎に手を当てながら考える素振りをして声を出す
「あー、それなら、あそこら辺とかいいかもですね。ついてきてください。」
「はーーーーい」
「楓、はいは短く!」
「「はーーーーーーーーーーーーい」」
「カカシ先輩!?なんで2人揃って息ぴったり長すぎる返事するんですか!」
「テンゾウお兄ちゃん面白いからね」
「ね。」
ぷんすか怒ったふりをするテンゾウお兄ちゃんを見つつ、
カカシ先生の方を見るとすごく幸せそうに笑っていて私も嬉しくなった
(こんな時間が、ずっと続くといいな)
「もう、とりあえずこっちです、2人ともついてきてください」
テンゾウお兄ちゃんの後に続いて歩いた