第19章 守りたい日常
「カカシ先生の瞳を奪おうとして、失敗したあと。木の葉を守ろうとして大好きなカカシ先生に手をかけようとしちゃった時だよ…
あの時も役に立たなきゃって必死で周りが見えてなくて。
先生は怒る事なく私にね、オレのそばにいろって言ってくれたの。」
「うわ、ほんとに恥ずかしい…あの時のオレ必死だったからな…忘れてくれ…。あ、いや、でもずっとそばにはいて欲しいんだけど…」
「ふふ、私すごく嬉しかったよ?
でも、今話してて気づいた。
守りたいって気持ちがいつの間にか役に立たなきゃって気持ちになっちゃってたんだと思う。
戦争って考えたら誰かを失うことを考えてしまって
先生がいなくなったらどうしようって、どんどん怖くなっちゃった。
私、ずっと先生のそばにいたい。カカシ先生がいない人生なんて考えられないんだ、何回諦めようとしても好きで好きでたまらなかったんだもん。
先生、ずっとそばにいるから、ずっとそばにいて欲しいの…」
そういうと少し驚いた顔をしたあとカカシ先生は目を細めて笑った
「頼まれなくてもオレもそうなんだから離れないよ。
ずっとそばにいるし、もう手に入れたんだから離す気もない。
それに戦争も、大丈夫だよ。お互い助け合えば絶対大丈夫だから。」
「先生、本当にありがとう。私次は頑張れると思う。」
真っ黒でぐちゃぐちゃに絡んだ感情が少しずつ解けていき
役に立たなければという焦りの気持ちが自然と守りたいという愛情に変わっていくのを感じる
「頑張ってみる。意識を失わない程度に、頑張ってみる。確信が持てたら、相談をさせて欲しいの。
いまは、確証が持てなくて、まだ混乱してて……
あれ、これ、イチゴの鉢植え…?」
ふと横を見るとお見舞いの品としては珍しく鉢植えが置かれていた
「あぁ、これは、楓が起きた時に何か食べれるものをと思ってたんだけど…
どうせなら楓の家でも一緒に育てられるものもいいなと思って…ほら、前、自分の家はなにもなくて帰るのが辛いって。だから二人の物や思い出をたくさん刻もうって話をしてたでしょ?何個か摘んで洗ってくるから食べる?」
ーーーこれだ、試してみよう