第19章 守りたい日常
「そんな事ない……カカシ先生にこんな思いさせて、本当にごめんなさい。私が先生をこんなふうに追い込んじゃった、ごめんなさい。…どうか泣かないで、本当に大丈夫だから。チャクラが乱れちゃったのは本当。でも本当にそれだけなんだ」
抱きついた手を離し、カカシ先生の頬に手を添え、
ついた涙を拭った
「意識を失う程のチャクラの乱れってどういう事なんだ?どうしたら、お前は無茶をするのをやめてくれるんだよ」
「本当にごめん…無茶したつもりも本当になかったんだよ。先生、お願い泣かないで…」
「……オレが泣き顔見せたの、本当にお前くらいなんだよ。言ってる意味わかる?」
「うん、それだけ私、酷いことしちゃったよね。ごめんね、カカシ先生」
「違うよ。それだけ楓が大事なんだ。いつもオレがこうなるのは楓が失われるかもしれないって思った時なんだ。」
「…そんな私は……いなくなったりなんかしないよ」
「……するだろ…」
カカシ先生は少し怒っているようにも見えた
思い返せば自分はいつも勝手に考えて先走って、それをカカシ先生達がフォローしてくれていた
サスケ君のことだってそうだ。
それに対するみんなからの信頼はない。
「…そう…だよね……そうだね…」
勝手に涙が溢れる
泣きたいのはカカシ先生なのに
どうして自分は…
「ごめんなさい……。」
私は役に立ちたいだけなのに…
なんで、私はこんなに無力なんだろう
誰1人、守れたことなんてない
「役に立ちたかったの、本当にそれだけだったの。
私、無茶しようって思ってなかった、もう少しで、もう少しでできると思ってた
なのに、自分の中で役立たず!って、急がないとまた大切な人たちを失うって、自分がずっと言ってくる、それが止まらなくて、うまく力が使えなくて…それで…
「ストップ。大丈夫だよ、ごめん、強く言ったよな、ごめん…。
オレも余裕がなかった、わざとやってるなんて思ってないよ。
楓の仲間思いなところも、優しいところもオレが大好きなところなんだ。大丈夫、一旦落ち着いて」
カカシ先生は私をぎゅっと抱きしめると小さくため息をついた