第19章 守りたい日常
手を天井にかざす
そう、いつものように、落ち着いて
楓、私は役に立てるよ
集中して…
「あのね…」
ーーーー
早く役に立たなきゃ
早く習得しなきゃ
間に合わないよ?
ーーーー
(違う、違う、ダメ、考えちゃ…さっきと同じことにな…
「うっ…」
「楓!?どうした!?やめるんだ、無理に話さなくていいから!一体何を…」
「違うの、見せたいの、ちょっとだけ…あとちょっと…」
(あ、だめだ、また…意識が……)
「楓!?しっかりしろ!すぐに医療班を呼んでくるから!!!」
(微かに見えた、緑色のチャクラのような…私にあれが使えたら…)
話したかったのに、見せたいのに、なんで上手くできないの…
役に立ちたいのに…
役に立たなきゃいけないのに…
私にだけできる事が、後もう少しで見つかるのに…!!
また、視界が揺れる
ずんっと体が落ちていくような感覚に囚われ
私はまた瞼を閉じた