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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第19章 守りたい日常


テンゾウお兄ちゃんは優しい声で答えてくれる

「うん?なんだい?」

「…うん。
あのね、ペイン戦で私が一度死んだ時、私お母さんとお父さんに会ったんだ。
私はどうしてお父さんお母さんが死んだのか、忘れたかったのか、本当に忘れちゃっただけなのか、それさえも覚えてなかった。
ただただいつもね、何かがあったら木の葉の里は安全だから、そこに逃げなさいって言われていた事だけは覚えていて。
だからお母さんとお父さんが殺されたあの日、私は木の葉に向かって必死に走ったの。
それでたまたま見つけてくれた忍の方に助けてもらって、この里に入れてもらえた。
それから私も忍になりたくて、里の支援を受けてアカデミーに通い始めたんだ」

「うん。」

テンゾウお兄ちゃんはすごく真剣に話を聞いてくれていた

「なんの特別な力もないと思っていた私に
私が陽のチャクラが使えるってテンゾウお兄ちゃんが昔教えてくれたでしょ。
自分は普通だと思ってたから何がすごいかも、他の人と何が違うかもわかってなかったんだけど…少し希望が見えた
それでね、あのペイン戦で両親に会って、それが確信に変わった。私は少しみんなと違うものを持っている事を知ったの」

「違うというのは…陽のチャクラの事だけではなくて…?」

「うん。だって私、印を結ばなくても枯葉から花を咲かせることができる。
これ、テンゾウお兄ちゃんと少し、違うよね?」

「…そういえば、そうだね。確かになんで楓はそれができるんだ?」

「うん、それを教えてもらえたんだよ。あのね、お母さんがね…」

お母さんたちが殺された理由も、私に能力を隠していた理由も
テンゾウお兄ちゃんには知って欲しい
 
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