第19章 守りたい日常
…これ、何回目だ…?
最近こういうの、多いな…
白い天井。
ツンとくる薬品の香り
病院だ。
目を覚ますとテンゾウお兄ちゃんが横にいた
「……テンゾウお兄ちゃん…。おはよ。…なんか、私が起きた時、いつも誰かが座ってくれてるね」
「楓…起きたんだね。ごめん、刺激が強すぎる話だった」
「テンゾウお兄ちゃんが謝ることじゃないよ…私ちょっと思い詰めてしまったんだと思う。」
「カカシ先輩もさっきまで本当に心配そうにしながらここにいたんだけどね、どうしても行かなきゃいけない用事ができたとかで…代わりに僕がここで待っていたんだ」
テンゾウお兄ちゃんの表情はまだ曇っている
こうさせたのは私だ
「…起きた時、誰もいなくても大丈夫なのに。みんな優しすぎるよ。
迷惑ばっかりかけてごめんなさい。テンゾウお兄ちゃんも、今すごく忙しいのに」
「僕は大丈夫だよ。あと、ナルト達にはこの話はしていないよ。みんなそんな事聞いたら全員駆けつけて病院は満室になるからね」
「ふふっ、そんなわけないって。皆、それぞれ役割があるからさ」
「そんな事、あるんだよ。
楓にはそういう力があると思う。君がいるだけで周りは笑顔になるんだ。
だから、自分をそんなに責めないでほしい」
いつもテンゾウお兄ちゃんはそうやって励ましてくれる
我愛羅君を助けたあとも、根から戻ってきた時も
いつも私の味方でいてくれる
ーーー私のお兄ちゃんだ。
「テンゾウお兄ちゃん、私ね、テンゾウお兄ちゃんに見て欲しいものがあるの」
まだ私にできるか、役に立てるのかは確信が持てないけど、テンゾウお兄ちゃんなら、何か知っているかもしれない