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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第19章 守りたい日常


残ったのは私とカカシ先生だけになった

「…大丈夫か?楓。」

「カカシ先生…本当にありがとう。うん、たぶん、大丈夫。」

自分は本当に役に立てるのか
いまでも不安でいっぱいだ。

みんなみたいに私は強くない。

ただ、自分はペイン戦の時に一度死んで知った事がある。
私が生命エネルギーを感じる事ができていたこと
どうしてテンゾウお兄ちゃんと同じ陽のチャクラが使えていたのか
今まで曖昧だったことが、一度命を失い私のお母さんお父さんに会ったことで知れたことがあった。

私がみんなの役に立つ為には、これをどうにか自分の力にする必要がある。

「とにかく修行がんばる。大丈夫、大丈夫…間に合うよね…」

手を胸に当て、深呼吸を繰り返す
バクバクと音を立てる心臓は未だにおさまることを知らない

「ふぅ、ふぅ…はぁ…はぁ…」

「おい、楓、本当に大丈夫か?落ち着いて」

カカシ先生の声がだんだんと遠くなっていくように感じる

どうして?私…

「…うぅ……」

自分はそんなに頑張れるの?
何度も大切な人を見殺しにしたのに?
サスケ君を止めることすらできなかったのに?

(ダメ、考えちゃダメ…ダメ…)

「ーーー楓、ーーだ、ーーーだから、ーーーーいて、ーーーーーー」

「カカシ先生…」

地面がぐにゃりと揺れるとバランスが取れなくなる
焦った先生の顔が見えたと思うと地面に体が打ち付けられる
ばたりと音を立てて私は気を失った
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