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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第19章 守りたい日常


「さて、そろそろ起きないとな…」

そう言ってやっと立ち上がり伸びをする

「朝ごはん食べる?ちょうど茄子があるよ。ね?あれにする?」

「「茄子の味噌汁!」」

2人で同時に言う

茄子の味噌汁はオレの好物だ

「ははっ、懐かしいな。昔楓がたくさん茄子を持ってきたことあったよな」

あぁ、そういえば、あの時のオレは楓と向き合う事をやめて避けていて…
久々に会った楓がテンゾウと仲良くしていて、嫉妬して…

(オレ、本当ダメなやつだな…)

そんな事を考えているとオレの考えていた事を察知したのか楓が話しかけてくる

「…あの時、どうしてもカカシ先生に会いたかったんだ。だから茄子を言い訳にして会いに行ったの。
私、いつだって先生のことばっかり考えてて、えへへ、恥ずかしいな。今もね、何も変わらないんだ。
八百屋に行って茄子を見れば先生を思い出すし、秋刀魚が売っているのをみるだけで先生と食べたいなって。
そんな事を考えるだけで毎日が幸せなの。
だから、そんな顔しないで?これからも笑って好きなもの沢山一緒に食べよう?」

目頭が熱くなるのを感じながら台所の前に立つ楓を抱きしめる

「楓の好きな食べ物は?」

「うーん、菜の花と、春菊かな?」

「…渋いな」

「あっ、お団子も大好きだよ?でもカカシ先生、お団子苦手だよね…?」

「甘くないやつなら好きだよ」

「そっか、そしたら
春は一緒にお団子食べてお花見して、菜の花を摘んだ時は一緒におひたし作ろう
夏は茄子を沢山食べて、
秋になったら美味しい秋刀魚を食べて…
それで、冬になったら春菊が入った鍋を一緒に食べよう?」

抱きしめたままで話していたせいで楓の顔は見れなかったが
すごく嬉しそうに話している事が声色からも伝わる

「…本当、お前可愛すぎだろ…」

「えっ変なこと言った!?」

「いーや…」

抱きしめていた楓を離し、瞳を見つめる

「毎年、そうやってずっと、一緒に季節を感じながら過ごそう」

楓の瞳はより一層輝く

「うん!」

この笑顔を見れば戦争だってなんだって、オレは頑張れる
そう思いながら2人で朝ごはんを作り、楽しい時間を過ごした
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