第19章 守りたい日常
目を開けるとオレは柔らかな枕で寝ていた
昨日の二日酔いか頭がとても痛い中、
ぼうっと天井を見ようとした瞬間
自分が楓の膝枕で寝ていたことにやっと気づく
「えっ…楓…?」
下を向いて寝ていた楓はオレの声で目を開ける
「あっ、カカシ先生、ごめんなさい。私寝ちゃってた…体調はどう?気持ち悪かったりしない?」
「…オレ、一晩中こうしてたの?」
「ふふっ、うん。昨日カカシ先生、あの後突然寝ちゃったんだよ。薬が効いちゃってたのかな。」
「…っ」
あまりにも醜態を晒してしまった事が恥ずかしく顔に手を当てる
「…本当ダメダメな先生でごめん…恥ずかしすぎる…」
「ダメダメじゃないし、私幸せだったからなにも問題ないよ?嫌だったらカカシ先生ソファーに置いてベッドで寝ることできたけど、私がこうしたかったからこうしたんだし」
そういうと楓はまだ足の上にある自分の頭を撫でてきた
「……はぁ、これ、まずいな。」
「あっ、ごめん、嫌だった?」
「…いや、これ、幸せすぎでしょ……もう少し仮病使うか迷う」
「ふふっ、仮病使わなくてもこれくらいするのに」
朝からこんなに満たされた気持ちになるのは楓がいるからだ
「…なんか、毎日が充実しすぎていて、楓に気持ちを伝える前が遠い昔みたいだ。こんな事なら早く伝えればよかったのに、本当にごめんな」
「ううん、辛いことも勿論あったけど、片思いの時間も幸せだったよ。
片思いだから気づけた先生の大好きな所たくさんあったしね!」
いつだって自分の失敗も、ダメなところも、楓は肯定する
それどころか、彼女は人の素敵なところを見つけるのが誰よりも上手い
(まぁ、だから、こいつがモテるってガイも言ってたんだろうけどな…)
そんな人が自分の事を選んでくれただけで、正直誇らしかった