第9章 私の居場所
「テンゾウお兄ちゃん!ごめん!のんびりしてたらギリギリになっちゃって…」
テンゾウお兄ちゃんは先に待ち合わせ場所に来ていた
「そんなことだろうと思ってたよ。
あ、楓、ちょっと止まって。」
「ん…??」
止まるとテンゾウお兄ちゃんは私の口の横を触った
「朝ごはん卵食べたでしょ、どうやったらここにつくの…本当に…」
「え!?すごい!さすが!今日は目玉焼きとウインナーだったの!」
「さすがはこっちのセリフだよ……」
呆れるテンゾウお兄ちゃんも、そのあとに「もう。」と言って笑うお兄ちゃんも、全部が懐かしくて心が温かくなる。
「何幸せそうにしてるの。楓、忘れてないかい?君は僕に言わなきゃいけないことがあるよね?」
我愛羅くんの救出後、テンゾウお兄ちゃんと一度会って、そのあと勝手に私は根に入った。
「テンゾウお兄ちゃん…」
たくさん心配をかけたし、きっとお兄ちゃんのことだ、自分を責めたかもしれない
(謝らないと…)
「あの…テンゾウお兄ちゃん、
今回は本当に勝手なことして、ごめ…
「違うでしょ。」
言いかけたところで珍しく遮られた。
「おかえり。無事で良かったよ。本当に。」
テンゾウお兄ちゃんは優しい顔をしてそう言った
「えっと…それって…。…た、ただいま…?」
「うん。僕も、ナルトもサクラも…。楓が根に行った時から楓の帰りを待ってたよ。だから、おかえりなさい。」
あまりにも予想していなかった言葉に、声にならない感情が込み上げてくる
「テンゾウお兄ちゃん…っ!!」
たまらず私はテンゾウお兄ちゃんに抱きついた
「お、おわっ、楓!?」
テンゾウお兄ちゃんは驚いてから、またいつものように頭を撫でる
「あーッ!!!!!!!ヤマト隊長ー!?!?なにしてるんだってばよー!!!」
大きな声がするとナルトくんがこっちに向かってきていた
「わっ!ナル…!ちっ、ちが…これは…」
「ナルトくん、おはよう!!」
私も大きな声で返すと、ナルトくんは白い歯を見せて、ニカッと笑い返してくれた
「よっ、おはよう!楓ちゃん。それと…ヤマト隊長…」
ジトーっとナルトくんはテンゾウお兄ちゃんを睨む
「見たってばよ〜?幸せそうにヤマト隊長が楓ちゃんの頭を撫でるのを〜…」