第9章 私の居場所
カカシside
オレはナルトがじっと自分の事を不思議そうにみている所から、少しだけホッとしていた。
楓は第七班のメンバーだ。
しかし、楓の戦力がほかの3人についていけていないのも事実だった。
(そういう時に本人の成長を止めるのって、組織なんだよね〜…)
「あの、カカシ先生…まだ熱でもあるの?」
サクラが怪訝な顔をして話す
「楓ちゃんがいない第七班なんて、第七班じゃないってばよ」
「それに、サイもね。戦力が云々言ってるならみんな連れたら完璧じゃない。」
自分が思っている以上に楓は第七班の中で大切な存在だったことに、思わず口が緩む
「え?ちょ…先生?何笑ってるの?!もしかして試したの?」
サクラが腕を組んで眉をつり上げる
マスク越しの自分の顔の緩みさえ見抜いてくる教え子には正直驚いた。
「あはは、楓もサイもすっかり第七班で先生安心したよ〜」
(こんな茶番必要なかったんだな)
あの頃は、
自分以外みんなが亡くなり一人ぼっちになった楓が第七班にやってきたから、
オレはいつも楓の居場所を作ろうとしていた
いつの間にか大人になって、彼女は彼女のコミュニティをつくり、そして信頼され、仲間を作っていた。
そして当時オレの中にあった「自分が守らなきゃいけない」というある意味親のような愛情は、
とっくに彼女を1人の女性として好きだという気持ちに変わっていて、
周りも同じように、あの頃は可哀想だ、と思っていた同情が本物の愛に変わっていたのだ。
(楓、お前はすごいよ。)
「よし。楓もサイも、変わらずこれからも第七班メンバーだ」
オレがいうと、
おうっ!それと、サスケも。ぜってぇ連れて帰るってばよ!
とナルトが返した。