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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第9章 私の居場所


木々の間を通って歩くと、小さな公園ほどの大きさの芝生が広がっている場所へ出た。

公園ではないので遊具もなにもないが、小さな木のベンチが木陰にポツンと1つ置いてある。
ここは私もよく小さい頃修行で使っていたスペースだ。

「つい最近の話なのに、懐かしいね。僕はここで初めて楓に草遁を見せてもらったよね。」

「そういえば、ここだったね。」

なんだか遠い昔の話のようだ。

座ろうか?とサイが私に声をかけると私達は小さなベンチに腰をかけた。

「無事で本当に良かった。もう会えないとおもったんだ。」

サイが遠くを見つめながら話し始める。

「ダンゾウ様から手紙が来たんだ。楓はもう使い物にならないって。」

「え!?なにそれ!ひどっ?!!」

咄嗟に返すと、サイはこっちを向いて笑う

「好かれて執着されるより、嫌われた方がいいよ。特に楓は。素直だから。」

「んー……。」

ふてくされてると、サイは話の続きをまた話し始めた

「それで、僕は楓は殺されるんだとおもった。」

「えっ…?」

思わず聞き返すとサイは続けた

「…根の最終試験は受けた?」

サイが真面目な顔で私の顔を覗く

「最終試験……」

ヒマリのことを思い出して、言葉が詰まる

「無理しなくていいよ。楓がそれを知っているか知りたかっただけなんだ。」

黙っているとサイはまた話し始める

「あれを知っていて、なおかつ根を抜けるということは、火影様や木の葉の上層部の人たちにそれが漏れるリスクがあるということ。
だから、僕は楓が殺されるとおもったんだよ。」

「あ……そっか、なるほど…」

「全然構わないっておもってたんだ。でも、そう言い聞かせたかっただけだった。
何度考えないようにしても、僕は、楓の事が気になって仕方なくて…」

思わずサイの方を見ると、サイもこっちを向く
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