第9章 私の居場所
サイがとにかく空気が読めないこと、
テンゾウお兄ちゃんが怖い顔だということ、
サクラちゃんの怪力に拍車がかかっていること
ナルト君のイビキがうるさいこと…
ケラケラ笑いながら、
時々怒ったりしながら4人が思い思いにいままでの話をしてくれた。
そしてサスケくんに会ったこと、
しかし、連れ戻すことはできなかったこと、
それでも諦めていないこと。
みんなと話すと私もだんだん元気が出てくる。
不思議となんでもできる気がする。
「楓ちゃんは、元気にしてたのかよ?ちょっと痩せた気がするってばよ」
ナルト君が私に話を振ってきた。
色々ありすぎて、思い出すと、思うように声が出なくなる。
「っぁ…私は…」
(違う、ちゃんと言いたいのに…)
誰かに心臓をぎゅっと握られているような、そんな息苦しさを感じながら、何を言おうか頭がパンクしそうになる
「あれ、サクラ、その二の腕…もしかしてサクラは少し太った?」
「…は?????
………ハァァァ!?!?!?!?」
サイが突然話に割り込んできて、サクラちゃんが固まる
「えっちょ、サイ…何考えてるんだってば…
「シャァァァァァンナロオ〜!!!!!」
状況を理解するより先にサイが席から落ちて倒れていた
「サ、サイ!?!?ちょ、血でてる!!」
急いで席から降り駆け寄る
「楓、そんな男ほっときなさいよ」
ナルト君と先程からニコニコわらっているだけだったテンゾウお兄ちゃんは何も言わずにラーメンをすすり始めた
「楓、無理に思い出さなくてもいいんだ。僕もそうだったから。」
駆け寄る私の肩に腕をかけサイは小さな声でいう
「えっ…」
サイはわざと話が逸れるようにしてくれたのだろうか
(そ、それにしても不器用すぎるよ…!)
「も、もっ、もっといい話題あったでしょ…!」
本当はすごくその気遣いが嬉しかった。お礼を言いたいのに、恥ずかしさから上手く言えない
「僕、人と会話するのが苦手なんだ。」
初めてあった時よりも柔らかい表情をした彼はこちらを見てにこっと微笑んだ。
「ち、ちち、血を拭いてよ!」
(びっくりした…)