第10章 合格?×不合格?×最終試験
故郷を出るまでは、当たり前だった私の小さな世界。
しかしその外には面白い、広い世界が広がっているのを知ってしまった。
私は知りたい、この広い世界を。
ネテロ会長はしばらく私の目を見つめた後、微笑みを浮かべた。
「うむ。結構じゃ」
何か納得した様に頷いているネテロ会長を、私とビーンズさんは訳がわからずただ見守る。
「おめでとうニーナ。 第286期ハンター試験、合格じゃ!」
「え!?」
「会長!?」
最終試験は?
もしかして、今のこの質問がそうだったの?
ハンター試験、これでいいのだろうか。
………本当に、これでいいのだろうか!?
「なんじゃ、嬉しくないのか?」
「いえ、合格できたのは嬉しいのですが……」
こんなに楽して合格してしまって、本当に良いのだろうか。
楽した罰とか当たらないかな。
「おぬしの実力は試験官達から聞いて知っておる。 何も問題ないぞよ」
そうなんだ……
ならば、喜ぶべきだよね!
「い〜〜〜やったーー!合格したぞー!」
「おめでとうございます!」
「ありがとうございまーす!」
超難関試験に合格できた!
これで胸を張ってくじら島の皆に会える!
「さて、この後講習を受けてもらうぞ。 そしたら晴れてワシらハンターの仲間入りじゃ」
「……はい」
講習……嫌な響きだ。
講習が行われる部屋へ案内されると、そこにはアルトゥール、ロボス、ズーリィがいた。
軽く挨拶を交わして席に着く。
皆が見守る中でハンターライセンスを授与され、ビーンズから長い講習を受けた。
何を言っているのか5%ぐらいしか理解出来なかったが、このライセンスはとても価値のある物で、最初の試練は「ハンターライセンスを守る事!」だというのは理解した。
「以上で講習を終わります。 試練を乗り越えて、自身を信じて夢にむかって前進して下さい」
「はい」
「それでは、ここにいる1名、ニーナを新しくハンターとして認定いたします!」
「ありがとうございます!」
皆から祝いの言葉と共に拍手を贈られる。
少し照れくさいな。
これで、今日から私はハンターだ!