第10章 合格?×不合格?×最終試験
「四次試験のやり直しは不可能。 そこで、このまま最終試験を行う事にしよう」
「え!? 会長、いつお決めになったのですか?」
「今じゃ」
頭を抱えるビーンズさんを余所に、ネテロ会長は「ほっほっほ」と笑っている。
最終試験はどんな内容だろう。
クイズは嫌だな。
頭を使うクイズだけは、絶対に嫌だな。
「最終試験の内容は___」
「どうかッ、どうかクイズ以外でお願いします!」
「? ほっほ! 安心せい、クイズを出すつもりはない」
良かった……本当に、良かった。
「ひとつだけ、おぬしに聞きたい事がある」
「はい」
「なぜハンター試験を受けようと思ったんだね?」
ハンター試験を受けようと思った理由……
強い男を見つけるため。
父親を探すため。
なんだかしっくりこない。
私が出したい答えではない気がする。
初めて故郷を出た時、全てが新鮮で、外の世界を楽しいと思った。
輝いて見えた。
私にとってはあらゆるものが未知との遭遇だったから。
ハンター試験に申し込んだのは、強い男と父親を探したいからだと思っていた。
ゴンにもそう言って、ハンター試験に申し込んだ。
しかし実際は、無意識下で未知との遭遇を求めていたからかもしれない。
強い男や父親を探したいのは本当だが、それらの目的を達成するまでの過程である、新しい出会いや発見を求めていたのかもしれない。
だから私の答えは、
「外の世界を、知りたかったからです」