第10章 合格?×不合格?×最終試験
「ッ!はあ、はあ…」
「目が覚めたかのォ」
私、生きてる?
「気分はどうじゃ?」
「え、あ…」
「災難じゃったのォ」
目が覚めるとベッドの中にいた。
混乱してうまく返事が出来なかったが、隣の椅子に腰掛けているご老人は気にせず微笑んでいる。
「丸一日気を失ってたんじゃよ」
「そうですか……ここは?」
「委員会が経営するホテルじゃ」
気を失っている間にこちらへ移動したと伝えられた。
今いる場所が、あの試験会場でない事に少しホッとする。
試験官と受験生達はどうなったのだろう。
「あの、他の人達は無事なんですか?」
「生きてはいるが、試験の続行は不可能な状態じゃ。試験官含めてな」
皆生きてるのか。 良かった。
でも、このご老人の言い方から察するに、あの試験官と同じ様な事をされたに違いない。
ところで、このご老人は一体誰だろう?
係員には見えないが。
「あの「会長!やっと見つけました!」
「これこれビーンズ。病人がいるから静かにせんと」
「随分探したんですよ」
会長?
部屋へ入ってきたのは、ハンター試験開始前に番号札をくれた人。
「目が覚めたんですね!」
「たった今じゃ」
「大変でしたね…」
「………」
あの狂気に満ちた顔を見るのは二度とごめんだ。
正直まだ怖い。
俯いているとご老人が明るい調子で話し始めた。
「自己紹介がまだじゃったな、ワシはネテロ。ハンター試験の裏方、トラブル処理係ってところかのォ〜ほっほっほ」
「秘書のビーンズと申します。こちらはハンター協会及び審査委員会の最高責任者のネテロ会長です」
お偉い方だったの!?
全然そんな感じしなかったから驚いた。
気さくなご老人って感じ。
「さて、目覚めて早々悪いんじゃが、これからの事を決めねばならん」
そうだった。
四次試験の担当官と受験生達は試験ができる状態じゃないんだった。
確か四次試験に進めた受験生は私含めて22名。
という事は、あの男と私の2人しか残っていない。
「受験生がおぬしひとりだけじゃ、ワシが用意してた最終試験はできんからのォ〜困った困った」
私ひとり?
「あの男……ヒソカは受けないのですか?」
「うむ、ワシらが到着した時には既に姿を消していた。残っていたとしても、失格じゃったがな」
それじゃあ、ここから先は私ひとりで試験を受けるのか。
