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覇者×ト×敗者

第9章 新しい玩具


不満そうな顔のニーナが部屋を出て数十分。
トランプタワーを作って崩し、また作っては崩す。

「トンパのやつ、まだあの新人を潰すの諦めてないらしい」

「そうなのか? もう懲りたと思った。だって……」

特徴的な帽子に、矢を背負った男がチラッと視線をこちらに向ける。
ニーナをボクの連れだと思っているのか。

「食事処で何か企んでるらしい。 見に行こうぜ!」

「い、いや、オレは遠慮しとくよ……」

やれやれ……
本当に困ったコだ❤︎
食事処か、どうせ「ご馳走してあげる」と言われてほいほいついて行ったんだろう。

食欲をそそる香りが漂ってきた。
角を曲がり、目的の場所へ着くと見慣れた後姿が。
心なしか、ションボリしている。

「やあニーナ❤︎」

「……ヒソカ」

「何かあったのかい?」

「……私って、そんなに田舎臭いかな……」

「………」


そんな今更………


浮かない顔をしていた原因はソレか。
田舎臭くてもイイじゃないか♣︎
ここへ来た時、彼女を見て笑っていた人達がいた。
それで「田舎臭いから笑われた」と思ったのか。
笑われている原因はそれじゃないのに……
でも、思い詰めてるようだから、

「黙っていれば田舎臭いとは思わないよ❤︎ 黙っていれば❤︎」

フォローを入れておこう♣︎

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