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覇者×ト×敗者

第9章 新しい玩具


無事、一次試験を通過できた。
ニーナは何を貰えるのか待ちきれない、といった様子で見つめてくる。

「そんなに見つめないでくれよ。 興奮しちゃうじゃないか❤︎」

「…………」

「そんなに待ちきれないのかい? しょうがない子だ❤︎」

「お?」

ボクの能力名にもなったお菓子。

「それはガムだよ」

「がむ?」

案の定、ニーナはガムを知らなかった。
それからの残り時間は、ガムの食べ方と風船ガムの作り方を教えた。
風船ガムの練習中に、

「プッ」

と、ガムを飛ばされた。
飛ばした本人は真っ青になっている。
でもボクは優しいから、微笑んで許してあげたさ❤︎


終ーー了ーー!!


「!」

「終わったみたいだね」

扉の向こうからアルトゥールの声が響く。

「一次試験合格者210名! これより二次試験会場へ向かう!」

外へ出ると、飛行船が停まっていた。

「これに乗るのか〜楽しみ!」

「くっくっくっ♣︎」

「な、何?」

「いーや何も❤︎」

何にでも興味を示すニーナは、見ていて本当に面白い。サルみたいで。

「2時間後に二次試験会場へ到着だ! それまで自由時間とする! 解散!」

さて、これからの自由時間をどう過ごそうか……

「ヒソカ、一緒に飛行船の探索しない?」

ニーナが期待の眼差しで見つめてきたけれど、

「ボクにとって飛行船は珍しくないから、遠慮しておくよ❤︎」


丁重にお断りした♣︎
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