第1章 初メ×ノ×始メ
芋を諦めて婆様の授業を受けに戻った私は、婆様からの説教を長々と正座で受けるはめになった。
こんなことならサボれば良かった、と真面目に戻ってきた自分を恨んだ。
「あはははっ!ニーナは本当に懲りないね」
私は、ただ大きくなりたいだけなのに…」
「そんなに気にしなくてもいいと思うけど…」
「私より5cmも大きい人から何を言われても、私の心には響かない」
「ふふっ何それ」と可笑しそうに笑っているのはセラ。
私より5cm程背が高いが、物腰が柔らかくのほほんとしている。
セラとは歳が近く、気が合う姉妹だ。
ここでは年齢を気に留める人はいないので、年が近い遠いは感覚だ。
「いよいよ今日だね。 姉様達の出発日」
「……うん」
「もしかしてニーナ、姉様達が居なくなるのが寂しいの?」
「そんな事っ…これから肉が取られずに済むからむしろ嬉しいね」
とは言ったものの、いつも何かと面倒を見てくれる姉様達が居なくなるのは、少しだけ、ほんの少しだけ寂しかった。
「姉様達は強いから、きっと大丈夫よ」
「そうだよね」