第4章 奇怪×ナ×奇術師
「えーっと…つまりご家族なのですね?」
「そうさ。 こっちがダンナでこっちは娘と息子だ。 ちなみにあんたが蹴りを入れたのはダンナだよ」
「すみませんでした!」
「いやいや気にする事はない。 なかなか良い蹴りだったよ」
申し訳なさでシュンとしていると、ナビゲーター夫婦は話を進めていく。
「息子達の正体は見破れなかったが……」
そうだった!
ナビゲーターのお眼鏡に叶わなければ試験会場への近道は閉ざされてしまう!
息子達の演技が完璧すぎて全然気付けなかった。
終わった……
「私と対峙した時に怯まず交渉を持ち掛けてきたのは驚いたが、誰でもできる事じゃない。 それに、身体能力の高さも素晴らしかった。 よって、合格だ」
てっきり落ちるのかと思っていたが、お眼鏡に叶ったようだ。
「やったー!!」
喜びに浸っていると、息子さんが両手を広げて翼を露わにした。
「それでは会場まで案内します」
「お願いします!」
これって飛んでいくのかな?
楽しみ!
息子さんは魔獣の姿に戻り、私の腕を掴んで空高く飛び上がった。
「ハンター試験頑張りなー!」
「応援してるぞー!」
「お元気でー!」
「ありがとうございまーす! 皆さんもお元気でー!」