第3章 新タ×ナ×目的
「お姉さんはどうしてここに?」
「ニーナでいいよ。 私は、ちょっと森の中を探索したいなとお思って」
「じゃあ、ニーナはナタリーお姉さん達とは一緒にずっと漁をするわけじゃないの?」
コンと遭遇した後、私はゴンと共に川辺に座って魚を焼いていた。
「ここに来る為に乗せてもらっただけだよ。 旅の為にね」
「旅? なんの旅なの?」
「強い男を探す旅! ゴンは誰か知らない?」
冗談のつもりで聞いたのだが、ゴンは真面目に答えてくれた。
「知ってるよ! カイトっていうんだ」
「その男は今どこに?」
これは直ぐに故郷へ帰れるのでは?
私がアマゾネスの中で歴代最速の帰還者になるかもしれない。
「ここには居ないよ。 出会ったのも何年か前だし」
ですよね。
そんな都合の良いように物事は進みませんよね。
「どこに居るかは…」
「分からない。 カイトはハンターで、俺の親父を探しにここに来たんだ。 その時に助けられた」
「助けられた?」
「うん。実わね__」
ゴンは、カイトとの出会い、自分の父親、ハンターになりたいこと、そしてそれを反対している育ての親であるミトさんのことを話してくれた。
「自分の父親を探したい…か。 父親のことなんて考えたこともなかったな」
「ニーナも自分の父親に会ったことないの?」
「うん…っていうか、私の仲間は誰も無いと思う」
「え!? どういうこと?」
「私はアマゾネスなの。 アマゾネスはね__」
私も自分の民族のことをゴンに話した。
どんな生活をしていたのかや、旅の目的などを。
「女の人しかいないの!?」
「そうだよ」
ゴンは驚いて目を見開いている。 表情や仕草が素直で可愛い。
魚もちょうど良い具合に焼き上がり、二人で食べる。 美味しい。
「強い人を探すなら、ハンター試験を受けて見たらどうかな。 死者もでる程危険で厳しいみたいだけど、強い人を見つけるにはいいんじゃないかな」
「それ良い考えだね!」
「俺もハンターになって、親父を探す」
そう言ったゴンの横顔はカッコ良い。 子どもなのが残念である。くッ。
「私も……自分の父親をさがしてみようかな」
ゴンと話していたら、自分の父親がどんな人物なのか興味が湧いて来た。 もちろんゴンの父親に対しても。