第3章 新タ×ナ×目的
「__、___っ! ニーナ! 漁に出るよ、起きて」
「ん…そうだった……」
昨日約束した漁の手伝いをするために、未だに寝ぼけている頭で身支度を急ぐ。
他の船員たちと合流して船へ向かい、船長の到着を待つ。
「よーし。 それじゃあさっそく漁に出るよ。」
船長は到着とともにそう告げ、船へと乗り込んだ。
私たちも後に続いて乗り込む。
漁をするポイント地点へ着くと、ナタリー達が網を海に投げ入れていく。
「ニーナ、あんたはこの網を引っ張り上げておくれ」
「引っ張るだけでいいのですか? 」
「ああ。 船の上に引っ張り上げてくれるだけでいい」
思っていたよりも簡単そうな作業で少し安心した。
これなら私にできそうだ。
「船長、6人がかりでやっと引き上げられるのに、ニーナ1人で大丈夫なんですか?」
「心配いらんよ。 まあ、見てなって」
ナタリー達が心配そうに見守る中、私は網を掴んでグッと力を込め、網を引っ張った。
「うおっ!?」
思っていたよりも軽く、勢い余って後ろへと倒れてしまった。
「す、凄い……」
「はっはっはっは! その調子でどんどん頼むよ!」
「は、はい」
驚きの出来事に皆はあんぐりと口を開いている。
私にとっては特別なことではないのだが、彼女らにとっては……正確には外の世界の人達にとっては普通のことではないらしい。 反応がそういっている。
その後も船長が満足するまで網を引き上げ、港に戻る頃にはもうクタクタだった。
「ご苦労だった、ニーナ。 私達は今日でもうくじら島を発つ。 お前さんはどうする? このまま一緒に来るなら歓迎するよ」
皆と一緒に過ごすのは楽しかったが、ここに残れと本能が訴えている。
「私はもう少しここに残ります。 短い間でしたが、大変お世話になりました。」
船長と他の乗組員にお礼を述べてお辞儀をした。
皆口々に別れの挨拶をしていく。
「じゃあね!ニーナ! いつかまた会いましょ! 元気でね」
「色々ありがとう、ナタリー! 船長! みんな! またいつか!」
同胞と別れた時とは違い、自分から遠のく船を見つめめていると、胸を締め付けられる感覚がした。